健康維持・予防
健康維持・予防
私は自分に良かった方法を人にも勧めてきましたが、すべての人に良いとは限りませんでした。
なぜそのようなことが起こったのでしょうか。
健康になるための仕組み、すなわち免疫のシステムが分からず、的確な情報提供が出来なかった為でした。
お客様の弱いところを補強し、免疫力を高めれば、健康維持が可能だと解かりました。
もちろん、個々の対応は異なります。 健康になるための仕組みを5つに分類してみました。
人間の体の中でそれぞれが影響し合い、緻密なシステムが働いています。詳細につきましてはこの後の、「詳細」のコーナーでお知らせいたします。
「健康維持・予防」を実践するには腸管粘膜を良い状態にしておくことが一番重要です。腸管粘膜は「第二の脳」と言われるくらい神経細胞が脳の次に集中しているところです。緻密な仕組みで免疫力を支えています。そして腸内細菌は脇役として免疫力を支えています。
ところが加齢や環境の変化から腸管粘膜の機能の低下や腸内細菌が悪玉化し全体的に免疫力が落ちてきます。
その原因は生活習慣の乱れやストレス※1により自律神経のバランスが崩れ、腸管粘膜や腸内細菌に負担がかかるからです。免疫力が落ちてくると、日々の体内のトラブルを自分の力で治せなくなり、様々な症状が体に現れてきます。
このコーナーでは、「健康維持・予防」を実践するうえで重要と思われる免疫力を支える仕組み(全体像のイメージ)、実践できる健康法、最新情報などを取り上げてまいります。
皆様のお役に立てば幸いです。
補 足
※1:ストレスとは、暑熱・寒さ・細菌・対人関係・恐怖・不安などの精神的、物理的な外部からの刺激を言います。
6月5日に安倍首相が発表した成長戦略の中に、サプリメントなどの健康食品や農産物などで健康への効能・効果を表示することを認める方針が盛り込まれました。食品は医薬品とは異なることから、これまで効果を示してもいいのは特定保健用食品(通称・トクホ)や栄養機能食品に限られていましたが、来年度中には現行の規制が大きく緩和される見通しです。
疲労回復などの生理機能
現在、トクホや栄養機能食品は、健康増進法に規定された保健機能食品として「食品の機能性表示」が認められています。機能性表示とは、食品のもつ栄養機能(生命維持に必要な栄養を与える)、嗜好性(五感を介して美味しさを与える)、生理機能(疲労回復などを促し病気を予防する)の3つの機能のうち、特に3番目の生理機能について、その食品がどのような働きをするのかを、商品に表示したり、広告でアピールしたりすることです。
たとえば、お茶に含まれるカテキンは体脂肪を燃焼しやすくする効能のあることが知られていますが、これを一定の割合以上含んでいるペットボトルのお茶でトクホを取得すれば、体脂肪が気になる人に勧めて良いということになります。
科学的根拠がなければ機能性表示はできません。その基準を定めたり、商品ごとに個別に審査し許可するのが消費者庁です。栄養機能食品はミネラルやビタミンを補うもので、成分量が国の基準に合っていれば許可なく表示できる規格基準型です。トクホについては、1991年に導入された当初はすべて個別許可型でしたが、2005年に規格基準型が創設され、おなかの調子を整える成分として大豆オリゴ糖などの一日摂取目安量が設定されました。
こうした規制が行われてきたのは、食品の安全性を確保し、医薬品との区別を明確にして、消費者を保護するためです。ただ、現行制度のもとでは、トクホ申請のための実験データ等を準備する費用と時間がかかる上、申請から許可まで最長で2年かかるため、食品メーカーとしては活用しにくいという現状がありました。
消費者の混乱を心配する声も
規制緩和の主な目的は、企業等の責任で科学的根拠を示し機能性を表示できるようにすることで、個別許可型の手続きにかかる時間やコストを省き、制度の活用を促すことにあるとされています。この規制が緩和されれば、企業は食品の付加価値を訴求しやすくなり、超高齢社会を背景に市場はさらに拡大すると考えられます。
一方で、有効性を企業が客観的に評価する方法や、品質の管理方法、健康被害情報の収集など安全性を確保するための具体策は、まだ定まっていません。そのため規制緩和のやり方によっては不確かな情報が消費者の混乱を招くことを危惧する専門家もいます。
参考資料: Yahoo!ニュース(THE PAGE)(2013年6月26日 11時45分配信記事)
(コメント)
この度の健康食品の「機能性表示」解禁は、効果表示可能なトクホ(特定保健用食品)の商品に比べて時間と費用(平均4億円)が大幅に削減でき、商品に効果を表示しやすくなります。そのことにより消費者が健康食品を選びやすくなりました。
弊社もこのチャンスを活かして商品の良さをアピールして参ります。
(関連資料)
(1)健康食品開発費用と時間に関するもの:
http://www.sansokan.jp/healthcare/mlmg/1002-2.html
(2)時論公論 「どう考える 健康食品の表示」NHKアーカイブ2013年07月18日 (木)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/162319.html
(3)規制改革に関する答申 ~経済再生への突破口~ (平成25年6月5日規制改革会議) p.54~57
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/130605/item1.pdf
(はじめに)
病気の多くはウイルスや細菌の感染で発症します。予防接種はそれらの感染症に対する免疫を獲得し、その病気に罹らないようにするために行われる方法です。使い方によってはとても有効ですが、現在の技術では副作用を伴うことも覚悟しなければなりません。
最近子宮頸がんワクチンに関するリスクが大きな社会問題になっています。2010年に国の助成が始まり、今年の予防接種法の改正に伴い4月に定期接種になったばかりでした。小学6年~高校1年の女子が対象で、父母らから安全性をめぐり懸念の声が出ていました。これまで推計328万人に接種され、1968件の副作用が報告されています。
予防接種の利用にあたっては、他方任せにするのではなく、副作用があることをよく理解し、ワクチンの特徴や摂取上の注意点を理解した上で活用したいものです。
子宮頸がんワクチン、検討会「一時的に接種推奨控える」
子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に長期的な痛みやしびれを訴える人が相次いでいるため、厚生労働省は14日、一時的に接種の推奨を控える方針を決めた。接種は中止しないものの、自治体に対し、対象者に個別の案内を出さないよう勧告した。法により自治体が実施している定期接種のワクチンで推奨を控えるのは異例のことだ。
この日、開かれた厚労省検討会が「痛み、しびれの原因を調査し、きちんと情報提供できるようになるまで、推奨を控えるべきだ」と結論づけた。対象者は希望すれば、これまで通り無料で受けられるが、医療機関での接種前にも、推奨されていないことが説明される。接種者が大幅に減る可能性がある。 (後略)
参考資料:朝日新聞デジタル (2013年6月14日20時47分版)
(コメント)
厚生労働省から予防接種に関するガイドラインが発表されています。16種類のワクチンの特徴と摂取上の注意点が記載されています。厚生労働省発表の下記の内容をご参照下さい。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bcg/guideline/1.html
免疫力のバランスを崩している時に予防接種を行うと副作用の危険性が高くなります。予防接種で重要なことはワクチンの受け皿、つまり私達の体が健康な状態にあることだと考えます。生活習慣を見直し、日頃から免疫力に関係の深い自律神経のバランスを整えておくことをご提案します。
免疫力と自律神経の関係・健康法については、本ホームページの下記の記事をご参照ください。
協同乳業研究所技術開発室は、平成25年4月23日、腸内常在菌(腸内細菌)が大脳の代謝系に影響を与えていることを代謝産物レベルで明らかにしたと発表しました。
この論文は「Frontiers in Systems Neuroscience」に公開されました。
腸内常在菌を持つ通常のマウスと無菌マウス(腸内常在菌を持たないマウス)の大脳皮質を比較した結果、腸内常在菌を持つ通常のマウスの方が、統合失調症やアルツハイマー、多発性硬化症等の病気の症状に関連する23種類の成分が少なく、また乳児の脳発達等に関与している15成分が多く検出されました。
また思考や行動に関連する大脳のエネルギー消費にも腸内常在菌が影響していることが明らかになりました。
腸内常在菌を持つことで、大脳の代謝系に影響を与え病気の発生を抑えたり乳児の脳の発達を促進したり、また思考や行動にも影響を与えていることが示唆されました。
(コメント)
今後研究が進めば、人が腸内細菌と助け合って生活(共生)している具体的な事実が明らかになる日も近いかも知れません。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
http://www.lkm512.com/contents/FSN_201304.pdf
...
先日、講師をお招きして健康セミナーを開催致しました。
その時の要旨をまとめましたので皆様の「健康維持・予防」にお役立て下さい。
~健康維持・予防の実践と医療との関わり方について~
期 日:平成24年11月24日(土曜)15:00~17:00
会 場:広島市東区民文化センター 大会議室
講 師:東京女子医科大学 ・ 川嶋 朗 准教授
【健康セミナー要旨】
冒頭に「風邪の常識力」について参加者に質問があった(ポイント①)。私達が常識と思っている対処方法には間違いがある。そして自分の体のことは自分で考えて対処し、医療とうまく付き合うことが大切だ。
市民の対応策
?① 医療の提供者の言いなりにならない |
?② 自らを守らねばならない |
?③ 医療の正しい知識が必要 |
このまま医療費が膨らんでいくと国の財政が破綻する。税金対策の前に医療費を下げる対策を取るべきだ。
現代人にとって心と体の冷えが大きな問題になっている。冷蔵庫・エアコンの普及、冷たいものの過剰摂取、薄着、運動不足、ストレスなどが原因である。
冷え対策として「温める」ことは効果が大きい。
手軽で安価な冷え対策(温活)
食事 ? |
?1、冷たいものを取らない |
?2、温める食材 | |
?3、食べ物をよく噛む | |
運動? | ?4、適度な運動 |
?5、早寝早起き | |
外から温める??? | ?6、冷やさない服装 |
?7、正しい入浴※1 | |
?8、湯たんぽや温熱シートなどの利用 | |
?9、マッサージなどのほぐし |
※1:血めぐり改善のための入浴法:38~39℃の湯船に30分以上(最低でも10分以上)浸かる。
入浴後、できるだけ早く乾かして就寝する。
真の予防
真の予防には病気にならないための意識改革が必要。そのためには自分で気付かないと行動は変わらない。
意識改革が可能な疾患は「がん」だが、その理由は死を意識するから。ならば死を意識することで意識革命が出来る。
(提 案)QOD(Quality of Death、クオリティ・オブ・デス、死の質)を考えよう
死の期限を決めて、①やるべきこと ②やりたいこと ③やれること を決める。
決めた期間内に行うにはその期限までピンピンしていないといけない。
そのためにどうすればよいかを考える。つまりQOD、Death Styleを考えればQOL(Quality of Life、クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)が上がり、ライフスタイルが向上する。
期限が来たらまた改めて考えればいい。
「風邪の常識力」について(質問)
・ひきはじめに風邪薬を服用すると早く治る? |
・熱があったらどんどん冷やした方が治る? |
・熱があったら入浴を控える |
・食欲がなくても食べないと治りが悪い |
・積極的に風邪薬を使うべき?? |
・抗生物質は有効?? |
・注射や点滴は有効?? |
・うがいは気休め?? |
回答:すべてNo
詳しくは「冷えを取って治す!症状別改善法55」
(川嶋朗著、宝島社)参照
がん予防(治療)に必要なルール
1.「冷え」を取る |
2.「免疫力」を高める |
3.「活性酸素」を防ぐ |
4.「腸内環境」を整える |
5.「有害物質」を解毒する |
川嶋流 がんにならない食べ方12か条
1.全粒穀物を摂る |
2.よく噛みながら食事を摂る |
3.食物繊維を摂る |
4.果物を控えて野菜を摂る |
5.水分は一日1~1.5L摂る |
6.1日1回きのこ類を摂る |
7.青魚を摂る |
8.1日30品目摂ることを目標にする |
9.塩はなるべく控える |
?10.肉類は控える |
?11.甘いものは控える |
?12.旬のものを食事に取り入れる |
...
20世紀の治療医学に対し、21世紀は予防医学と言われています。
その予防医学の旗手として注目されているのが腸内細菌です。
腸内には約100兆個、100種類に及ぶ細菌が棲息し、腸内フローラ※1を形成しています。腸内フローラは食物や消化管の分泌成分を栄養素として摂取し、増殖しては排泄されています。この腸内フローラのバランスを善玉菌優勢、悪玉菌劣性に保つことが疾病予防、健康維持・増進に重要と考えられています。
そして腸内フローラに有効な機能性食品の存在も明らかになってきました。腸内環境改善に関連した機能性食品を分類すると、3つに分けられ、プロバイオティクス、プレバイオティクス、バイオジェニックスになります。(光岡知足編:腸内フローラシンポジウム「腸内フローラと生活習慣病―食生活とのかかわり―」学会出版センター、2001)
3つの分類
(1) プロバイオティクス:
乳酸菌、納豆菌、酪酸菌等、腸内細菌のバランスを改善するために摂取する「生菌」の総称です。
しかしビフィズス菌や乳酸菌は酸に弱く、胃液や胆汁の中でほとんど死滅してしまいます。腸内では宿主の固有菌以外は住み着くことが難しく、大半が排出されてしまいます。
(2) プレバイオティクス:
オリゴ糖や食物繊維等難消化性食品成分で、ビフィズス菌等の善玉菌のえさを指します。
乳酸や酢酸を生成し、排便を促す作用があります。
(3) バイオジェニックス:
代表的なものに乳酸菌発酵(代謝)物質があります。
乳酸菌発酵物質には生理活性ペプチド、各種アミノ酸やビタミン類を含む食品であり、腸管を介して免疫力を上げたり、コレステロール低下作用、血圧降下作用、整腸作用等があります。
参考資料 順天堂大学医学雑誌 「順天堂医学 50巻2号187 (2004)」
(コメント)
最近特にヒト由来の乳酸菌等で作った発酵代謝物質が注目を集めています。
このことは「健康維持・予防」のコーナーの「腸内細菌」のところで今後紹介して参ります。
補 足
※1:腸内フローラとは、我々の腸の内部に生息している多種多様な腸内細菌群が作り出す一種の生態系のようなもので、我々の摂取した食べ物の消化を助けてくれたり、外部から腸内に進入した病原細菌の増殖を抑えたりすることで、腸内の恒常性維持に役立っています。
日頃元気なので大丈夫だと思っていても何となく体調に違和感が出てくることがあります。そして、その状態が続き気になり始めた頃に周りに病院に行くことを勧められ、通うことになってしまう・・・。
「病気になる前に気を付けておけば良かった。」とよく聞く言葉です。日々生じる体のトラブルも自分で治せる健康な体を維持できれば立派に予防できるはず。しかし体のトラブルの原因である生活習慣の乱れ等に自分で気付き軌道修正して予防することはなかなか難しいようです。
予防の段階から客観的にフォローしてくれる第三者の存在があれば心強いものです。
先日興味深いコラムを見つけましたのでご覧下さい。
日本経済新聞(平成24年3月11日)
(前略)
日本は高齢化社会に向かってまっしぐら、の状態にある。多くの人が蓄えを持つのは「老後の病気に備えて」という理由が圧倒的だ。高齢になると体の不調を訴えることが増えてくる。このままだと医療・福祉保険財政が破綻する。今や年をとることがリスクを負う時代になっている。
私たちは病気になると医療機関に行く。病気は文字通り病にかかったときにそれを癒やす場所だ。確かにありがたい施設だが、病気やけがをしないと世話にならない。もっと、普段から個々人の健康について気軽に相談に乗ってくれる所があればと、誰しも思うのではないか。
そこで、病院ならぬ「健康院」作りを提唱したい。健康に配慮した食を扱う健康機器メーカーのレストランが話題になるなど、ここ何年か「健康ブーム」が続いている。健康に対する人の関心も高い。「いつまでも健やかに暮らしたい」と思う人は多い。
「健康院」では、公費で、体に良い食や運動を始め健康に関する相談にのってくれ、アドバイスもしてくれる。もちろん、健康診断も。要は、体の管理を本人と一緒に考えるところと言ってよいだろう。医療保険でまかなえば、現在の治療中心の医療・医学から、予防中心の医療・医学への転換が図れるだろう。
(中略)もう一つ、「健康院」作りを阻んでいる理由がある。予防医学に力を入れたら、国民医療費がどれだけ削減できるかというデータがないということだ。医療・医学の世界でいう明確なエビデンスがない。健康を楽しめる社会作りのために、今からでも遅くはないからそのためのデータを蓄積したい。
(江戸川大学教授 中村雅美)
医療の世界は、20世紀は西洋医学が主流で、治療医学(かかった病気を治療する医学、対症療法)が中心でした。21世紀に近づくと西洋医学に替わる代替医療(鍼や灸、温熱療法、アーユルヴェーダ、栄養療法、心理療法など)が再び注目され、予防医学(病気にならない体を作り病気の発生を予防する医学)が普及し始めました。21世紀に入り、もっと積極的に健康維持・予防を目指した活動も始まっています。日本では東京女子医大が中心となって統合医療を提唱しています。西洋医学と代替医療の良いところを統合し、病気をかなり初期の段階で発見したり予防、根治、健康維持の増進などを目指しています。
下記の記事で取り上げましたように、国も予防を目的に統合医療について検討を始めました。弊社は医療の最新情報に注目しながら、皆様にとってより良い「健康維持・予防」の情報をこのコーナーで提供して参ります。
また、統合医療にご興味のある方は日本統合医療学会のホームページをご覧ください。最新の統合医療の情報が記載されています。 http://imj.or.jp/
厚生労働省医政局は平成24年3月26日、「統合医療」の今後のあり方を議論する検討会の初会合を開いた。厚生労働科学研究などで積み重ねた知見を踏まえて、「概念」「課題」「今後のあり方」を検討。医政局長による検討会との位ち付けで、学識者らによる本格的な議論が始まった。
▼記事全文はこちら
http://www.kenko-media.com/health_idst/007549.html
腸管粘膜
小腸は消化吸収する時に体にとって、必要なもの不要なものを識別する独自のセンサーを備える
小腸の主な仕事は、消化された食べ物から必要なエネルギー源となる栄養を吸収することです。小腸は、体にとって必要か不必要かを独自で識別する細胞を持っているので「腸(特に小腸)は第二の脳」と言われています。
ところが今、現代人の体内ではこの腸の働きが衰え、チェック機能はルーズになり、多くの人たちが生活習慣病という病に脅かされているのです。
栄養成分は小腸で初めて吸収される
口から食道、胃への移動の間に、唾液、胆汁、膵液などいろいろな体液が働き、食物を小さく粉砕し、消化していきますが、この間栄養成分はほとんど吸収されません。小腸で初めて吸収されるのです。
小腸の長さは6m。その内部は粘膜で覆われ、じゅうたんのように多数のひだ(絨毛)がびっしりとはえています。栄養素はこの絨毛で吸収され、体内各部に送られます。
絨毛の一本一本の表面は、さらに微絨毛に覆われ、ひだの上にひだを重ねることで、小腸内の全表面積は体表の約200倍にも達する広さになっています。広くして、それだけ多くの栄養を吸収できるように工夫されています。 つづく・・・
参考資料:「フコイダン 腸管免疫強化で予防と治療」宇佐美宏 編集(食を考える会)
パイエル板は厳しい検問所
小腸は栄養成分を体内に取り込む場所で、有害物質にとっても絶好の侵入口になります。有害物質は皮膚よりも小腸などの粘膜から体内に侵入しやすいので、厳しいチェック機能が必要になり、これを腸管免疫システムと呼んでいます。
脳以外に存在する神経細胞の半分は小腸などの腸管にありますが、全身の免疫を司るリンパ球の60~70%が腸管に存在し、免疫に必要な抗体全体の60%が腸管で作られています。これは腸管免疫が大切ということを物語っています。
危険から身を守るための小腸の腸管免疫というシステムは、びっしり詰まった絨毛※1(じゅうもう)の中に30~40箇所あるパイエル板※2という侵入者をチェックする厳しい検問所で行われています。
フコイダンの硫酸基で腸管免疫復活
加齢と共に免疫の主役は腸管免疫が中心になってきますが、老化現象により粘膜機能が低下し、全体的に免疫力が落ちてきます。さらに現代のような飽食の時代、食品添加物、抗生物質、薬、成長ホルモン、ストレスなど腸管を過度にいじめ、粘膜に負担がかかり過ぎ、パイエル板が汚れたり、傷ついたりして本来の機能が低下し、検問所の役割を充分に全うできていないのが現状です。
そこで必要となるのが硫酸基を持ったフコイダンなのです。硫酸基が腸管粘膜に付着して保護することによって小腸にある各種のセンサー感度を上げ、また腸管粘膜表面についた汚れを取り、傷ついた腸管粘膜を修復して若返らせてくれます。
参考資料:「フコイダン 腸管免疫強化で予防と治療」宇佐美宏 編集(食を考える会)
小腸が免疫の中枢
小腸の内部写真。
突起状のものが絨毛で、
平らなところがパイエル板。
補 足
※1:絨毛とは、小腸の内側にある小さな突起のことを言います。
突起の表面にはさらに小さな突起(微絨毛)があって表面積を広くしています。小腸に入ってきた栄養をその内側に流れる毛細血管から効率よく吸収する働きがあります。
※2:パイエル板とは、小腸の内側にある絨毛と呼ばれる小さな突起の間にある平坦な部分を言います。
この部分は腸管免疫の重要な役割を担っています。病原微生物に対して侵入してきた場合複雑なシステムを駆使して情報を集め、侵入を阻止します。
しかし、食べ物由来の蛋白に対しては、アレルギー反応が起こらないように免疫的に寛容なシステムで対応します。
厳密さと寛容さの両方を持つ優れたシステムを小腸のパイエル板は持っています。
免疫の機能は私たちの体の中で自然に動いているすばらしいシステムです。私たちが自然に身に付けたこのシステムを有効に使わない手はありません。下記の内容は少し難しいかもしれませんが、体の中で日々おきている現象に目を通してみて下さい。この機能を有効に使っていくことが私たちの「健康維持・予防」に重要と考えて、記事として取り上げました。参考にして頂ければ幸いです。
免疫の司令塔:パイエル板
腸管粘膜系の中でも、特に重要な役割を担うのがパイエル板※1という免疫細胞の集合体です。
免疫細胞システムの最前線であるマクロファージや、T細胞、B細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞といった各種のリンパ球(添付図参照)がここに集結しています。
パイエル板を覆う腸管上皮には通常の上皮とは異なり、絨毛※2の発達していない陥没した箇所があり、その形からM細胞と呼ばれています。
M細胞の大きな仕事は腸管内の抗原を積極的に取り込んでは下に控えるT細胞に知らせることです。するとT細胞がその情報を携えて全身をめぐり、B細胞に抗体を作るように指示を出すなどして侵入物質から体を守るのです。
T細胞は血液やリンパ液の流れに乗って全身を駆け巡っていますが、そのままでは半人前です。というのも免疫細胞は必要に応じて該当する地点に移動して初めてその機能を発揮するものなのです。
ところがT細胞は抗原の情報を獲得して活性化されない限り、リンパ系器官以外の組織に入り込むことが出来ません。抗原に出会い自在な行動力を得てパワーアップし、ようやくメッセンジャー役を遂行できるというわけです。
つまり、全身の健康を維持するうえでT細胞の行動力を高めておくことは有効であり、それには情報源であるパイエル板を活性させることが不可欠ということです。
参考資料:「腸からはじめる幸せ健康法」新谷弘実 監修、安保徹 著(新星出版社)
補 足
※1:パイエル板とは、小腸の内側にある絨毛と呼ばれる小さな突起の間にある平坦な部分を言います。
この部分は腸管免疫の重要な役割を担っています。病原微生物に対して侵入してきた場合複雑なシステムを駆使して情報を集め、侵入を阻止します。
しかし、食べ物由来の蛋白に対しては、アレルギー反応が起こらないように免疫的に寛容なシステムで対応します。
厳密さと寛容さの両方を持つ優れたシステムを小腸のパイエル板は持っています。
※2:絨毛とは、小腸の内側にある小さな突起のことを言います。
突起の表面にはさらに小さな突起(微絨毛)があって表面積を広くしています。小腸に入ってきた栄養をその内側に流れる毛細血管から効率よく吸収する働きがあります。
体を温めることで体温が上がり、血流を促進して免疫力を上げることが古くから知られています。腸管粘膜の記事でも取り上げていますように、免疫力を支える免疫細胞も体温を上げることで活性化し、機能を発揮します。
身近な生活で手頃に体温を上げる例をご紹介します。
長続きする体温めは安価で手軽な方法で
体を温める方法は、食事をしてそれによって上がった体温を逃さないようにポイントを押さえて衣類などを着用する方法が一般的ですが、それに加えて積極的に体を温める方法を併用すると効果的です。
その場合、特別な道具を用意したりするのは結構面倒ですし負担になります。
そこで手軽に購入できる湯たんぽをご紹介します。
家族一人一つのマイ湯たんぽで冷え知らず
昔懐かしい湯たんぽは、電気毛布などに比べのども乾かず、とても健康的な暖房器具です。この湯たんぽは体温め効果がとても高いです。家族一人に一つの「マイ湯たんぽ」をぜひ揃えたいものです。
湯たんぽは小ぶりなものが使いやすく、70度ほどのお湯を注ぎ、厚手のタオルなどでくるみます。
湯たんぽの使い方で一番効果的なのは太ももの上におくことです。じわ~っと全身にぽかぽか感が広がっていくのがわかります。
そのほか、必要におうじて腰やお尻などへくるくる回しながら温めて下さい。
デスクワークの時、テレビを視聴している時など、くつろぎのひと時の「お伴」に、マイ湯たんぽをぜひご用意ください。
参考資料:「冷えを取れば万病が治る!」川嶋朗 著(宝島社)
腸管粘膜を活性化させて免疫力アップ! 食物繊維をたっぷりとる!
食物繊維は栄養素ではありませんが、腸管を刺激してその働きを活発にします。腸が動くということは、自律神経※1の内、副交感神経が優位になっているということです。白血球※2の中のリンパ球も増加します。さらに食物繊維は有害物質などを絡め取って排出する役目をしてくれます。
おすすめ食物繊維
その1 きのこ
きのこはどれも食物繊維が豊富で、低エネルギーなので体重が気になる方もたっぷり食べられます。
きのこに含まれる食物繊維は、主に不溶性食物繊維といって水に溶けないタイプなので、消化管に入ると水分を吸収して柔らかくなり、かさが増す性質があります。そのため腸の働きが活発になり、便秘の予防と解消にもはたらきます。
その2 海藻
海藻の食物繊維はおもに水溶性食物繊維といって水に溶けるタイプで、ぬめりの部分に多く含まれています。食べると消化管の中で自律神経の内、交感神経を優位にするナトリウム※3と結びつき、排泄を促し、体内への取り込みを抑えてくれます。また、ナトリウムの取り過ぎは高血圧の原因にもなるので、高血圧の予防・改善にもなります。
その3 野菜
野菜は不溶性の食物繊維をほどよく含み、これは便通を良くし、腸内の悪玉菌が出す有害物質を吸着して排出し、腸内環境を整えます。また、新鮮な野菜には身体の組織を若々しく保つビタミンCが多く含まれ、緑黄色野菜に多いビタミンAは、皮膚や粘膜の新陳代謝を高め、抵抗力をつけます。その他にも様々なミネラルや動物には作ることのできない植物性の非栄養素※4を含みます。
※参考資料:「安保徹の食べる免疫力」安保徹 監修(世界文化社)
補 足
※1:自律神経とは、心臓や胃腸のように自分の意志とは関係なく動く器官をコントロールする神経のことです。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は主に緊張・興奮状態の時に働き、副交感神経は平常時・心身共にリラックスしている時に働く神経系です。
※2:白血球とは、血液に含まれる細胞成分の一つで、外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などの役割をします。白血球には好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などの種類があり、好中球、好酸球、好塩基球の3つを合わせて顆粒球と呼びます。
※3:ナトリウムとは、人にとってなくてはならない重要なミネラルのひとつ。元素記号はNa。
ナトリウムは、主にナトリウムイオンとして細胞の外側を取り囲んでいる体液に多く含まれており、カリウムとバランスを取りながら体液の調整を行います。
※4:非栄養素とは、人が生命を維持するのに必須である栄養素以外の植物由来の成分を言います。体内で、抗酸化作用、免疫力向上、体内浄化といった働きをします。例えばお茶のカテキンなどのポリフェノール、大豆のイソフラボンなどがあります。
腸内細菌
腸管の強い味方、乳酸菌
私たちが若く健康でいられるカギを腸管粘膜が握っています。腸管粘膜は免疫の中枢とも言われています。そしてサポートをするのが腸内細菌です。
人は約60兆個の細胞からできていますが、その倍近い約100兆個の微生物と共生しています。
腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、そして善玉にも悪玉にもなりうる日和見菌があります。
善玉菌が少ないと、消化吸収力が低下、腸内の腐敗が進んだり、免疫力が低下して病原菌に感染するなど老化や病気のもとになってしまいます。
善玉菌の中でも主役の乳酸菌は次の6つの働きをしています。
① 腸内フローラ※1の安定化
② 消化・吸収の手助け
③ 有害物質・病原菌を抑える
⑤ 免疫力を高める
⑥ インターフェロン※2を高める
乳酸菌をいかに増やすかが重要になってきます。
つづく・・・
参考資料:腸から始める幸せ健康法 新谷弘実監修(新星出版社)
補 足
※1:腸内フローラとは、我々の腸の内部に生息している多種多様な腸内細菌群が作り 出す一種の生態系のような もので、我々の摂取した食べ物の消化を助けてくれたり、外部から腸内に進入した病原細菌の増殖を抑えたりすることで、腸内の恒常性維持に役立っています。
※2:パイエル板とは、ウイルスなどの異物の侵入を所定の細胞に知らせてウイルスの増殖や病気の発症を食い止める働きを持つ物質です。
「腸内環境改善に関連した機能性食品の分類」
健康維持・予防で大切な役割を果たすものに腸管粘膜と腸内細菌があります。
そのうち腸内細菌について、「生きたまま腸まで届く○○菌」と言う言葉をよく耳にします。
しかし、「生きたまま届いた○○菌」は固有の菌(腸内フローラ※1)以外は、腸内に住み付くことが難しく、大半がそのまま出てしまうことがわかってきました。
結局「○○菌」が腸まで届くことが問題ではなく、届いた先で何をするかが大切になってきます。
腸内細菌の特徴として、
①作った物質が腸で吸収され、体内で効果を発揮すること
②自分たちが生育しやすい環境を作る。
⇒生育を促進する物質や悪玉菌を繁殖しにくくする物質を作る
体の外で腸内細菌を培養して作った物質を摂取すれば上記の①と②を満たすことができます。
そこで、腸内細菌が作った物質を積極的に摂取する方法が注目されています。その物質を「バイオジェニックス」と呼びます。
その他、腸内環境改善に関連した機能性食品はバイオジェニックス以外に、プロバイオティクスやプレバイオティクスがあります(H24.10月医療トピックス参照)。
その具体的な例を一覧表にまとめたものがありましたので記載致します。
ご参考の上、実際の生活にお役立て下さい。
補 足
※1:腸内フローラとは、我々の腸の内部に生息している多種多様な腸内細菌群が作り 出す一種の生態系のような もので、我々の摂取した食べ物の消化を助けてくれたり、外部から腸内に進入した病原細菌の増殖を抑えたりすることで、腸内の恒常性維持に役立っています。
自律神経
自律神経は体内活動のすべてを調整するまとめ役
(1) 自律神経は個々の細胞を一つにまとめます
人には約60兆個も細胞があり、行動を起こすと細胞間に協力体制が必要になります。必要な細胞を選び出し、行動にふさわしい内部環境を作ります。それを無意識に実行しているのが自律神経です。
例えば走る時は無意識に心臓の動きが速くなり、血管が収縮して血圧が上がります。これは全身の筋肉に大量の血液を送り、運動しやすい体内環境を作ろうと自律神経※1が働くからです。心臓が休むことなく動き、食べ物が消化吸収されるのも体内環境を調整する自律神経の働きがあるからです。
これらはすべて自律神経が細胞を一つにまとめて調整しています。
(2) 自律神経の支配は全身に及びます
自律神経は全身に張り巡らされています。心臓・血管などの循環器系、口腔や肺などの呼吸器系、胃腸の消化器系、排泄(はいせつ)の泌尿器系、さらに生殖系まで、体のほとんどすべてを支配しています。
自律神経のバランスを調節することはとても重要になってきます。
つづく・・・
参考資料:「病気にならない免疫の仕組み」 安保徹 著 (ナツメ社)
補 足
※1:自律神経とは、呼吸・消化・発汗・体温調整・代謝等の機能を自分の意志とは関係なく調整する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経とは、主に元気に活発にという場面で優位に働き、副交感神経は、主にリラックス、ゆったりという場面で優位に働く神経のことです。
相反する指令を出す2つの神経系統
(1) 活動の交感神経、休息の副交感神経
自律神経※1には、2つの系統があります。交感神経と副交感神経です。2つの神経の働きで、状況に応じた体内環境が作られます。
しかしこの2つの神経は全く正反対に働きます。
交感神経は体を活動に適した状態に調整します。心臓の働きを高め、血管を収縮させ、血圧を上げて全身にたくさんの血液を送ります。胃を弛緩させたり、胃液の分泌を少なくして、胃の消化活動に使われる血液を減らして筋肉に送る血液量を増やそうとするのです。
副交感神経はこれとは全く反対に心臓の働きを緩やかにし、血管を拡張させ、血圧を下げます。
両者の働きをまとめると、交感神経は体を緊張状態にし、副交感神経はその緊張を解いて、体を休息させます。また食べ物を消化している時も副交感神経が働いています。
(2) どちらが優位かで全身の状態が変わる
交感神経と副交感神経は、それぞれ個別に働いているのではなく、どちらかが優位になればどちらかが劣位になるというように、拮抗的に働いています。そしてどちらが優位に働くかで体内の状態が変わってきます。
交感神経が優位に働く時は神経の末端からアドレナリン※2が分泌されて、それを受けた各細胞が働き出して体が緊張状態になります。
副交感神経が優位になると、神経末端からアセチルコリン※3が放出されて、各細胞が働き出し、体がリラックスします。アドレナリンやアセチルコリンに反応する細胞の一つが免疫細胞です。
基本的に昼間の活動時間は交感神経が優位で、夜の休息時間は副交感神経が優位になっています。
(下図参照)
※参考資料:
「病気にならない免疫の仕組み」
安保徹 著 (ナツメ社)
(コメント)
自律神経が1日の生活の中でバランス良く切り替わっていれば免疫力を高く維持できます。しかし生活習慣の乱れや強いストレス(緊張状態)から長期にわたってバランスを崩すと免疫力が低下し様々は症状を引き起こします。このコーナーでは引き続きバランスが崩れるとどうなるか、どのようにしたらバランスを保てるかなど取り上げてまいります。
補 足
※1:自律神経とは、呼吸・消化・発汗・体温調整・代謝等の機能を自分の意志とは関係なく調整する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経とは、主に元気に活発にという場面で優位に働き、副交感神経は、主にリラックス、ゆったりという場面で優位に働く神経のことです。
※2:アドレナリンとは、神経伝達物質の一つで、興奮したときに大量に血液中に放出される身体のエネルギー代謝を高めるホルモンの一種です。交感神経が興奮した状態、すなわち「闘争か逃走か (fight-or-flight)」のホルモンとも呼ばれます。動物が敵から身を守る、あるいは獲物を捕食する必要にせまられるなどといったストレスに対する反応(ストレス応答)を、全身の器官に引き起こします。
※3:アセチルコリンとは、神経伝達物質の一つで、副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激を伝えます。アセチルコリンは骨格筋や心筋、内臓筋の筋繊維のアセチルコリンの受容体に働き、収縮を促進します。自律神経の内、副交感神経を刺激し、脈拍を遅くし、唾液の産生を促します。
ノロウイルス・インフルエンザウイルスの感染対策
平成24年の秋頃から平成25年の年始にかけてノロウイルス※1による食中毒、インフルエンザウイルス※2によるインフルエンザなど、ウイルスが流行しています。
うがいや手洗い、マスクで感染を予防し、免疫力が高ければ初期の段階でウイルスの増殖を抑えることができます。
病気にならないためには感染後のメカニズムにヒントがありました。
(1)感染時に働く免疫のシステム:病原体の大きさで自律神経※3の対応が異なる
病原体には大きく分けて粒子の大きな細菌(バクテリア)と粒子の小さなウイルスの2種類があります。最近の研究で、病原体の大きさにより異なる免疫システムが働くことがわかってきました(図参照)。
ブドウ状球菌や連鎖球菌の様な粒子の大きな細菌に感染した場合、活動時に働く交感神経が優位になり、顆粒球を増やし、病原体を退治します。
一方、粒子の小さなウイルスに感染した場合、休息時に働く副交感神経が優位になり、リンパ球を増やし、病原体を退治します。
(2)感染症に対応するには
ノロウイルスやインフルエンザウイルスに対抗するには自律神経のバランスを保ちながら副交感神経優位の状態を保ちリンパ球の数を増やすことが重要になってきます。
その際の免疫力の高め方は、「健康維持・予防法」の中でご紹介します。
※参考資料:「病気にならない免疫の仕組み」 安保徹 著 (ナツメ社)
補 足
※1:ノロウイルスとは、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種です。カキなどの貝類の摂食による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの糞便や吐瀉物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染します。
※2:インフルエンザウイルスとは、人に感染して、伝染病であるインフルエンザを起こすウイルスのことです。
※3:自律神経とは、呼吸・消化・発汗・体温調整・代謝等の機能を自分の意志とは関係なく調整する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経とは、主に元気に活発にという場面で優位に働き、副交感神経は、主にリラックス、ゆったりという場面で優位に働く神経のことです。
あなたはどちらのタイプ?
図1の(1)と(2)に書かれている症状にあてはまるものはありますか?
自律神経※1のバランスを崩すとどちらかに偏り、症状が現れます。
図1
※参考資料:「病気にならない免疫の仕組み」 安保徹 著 (ナツメ社)
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。
本来図2の自律神経のシーソーのように、昼と夜で交感神経と副交感神経がバランスを取りながら働いています。
図 2 自律神経のシーソー
しかし、生活習慣の乱れや精神的・肉体的ストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れ、どちら か一方に偏った状態が続き、図1のような症状が発生することが最新の免疫学で分かってきました。
特に(1)の顆粒球体質が要注意です。病気の8割は、このタイプから始まると言われています。
また(1)の顆粒球体質から始まって(2)のリンパ球体質に発展する場合もあります。結果として (1)、(2)の症状を持つようになり、両方の症状多かった方はこれに当てはまります。
これらの症状を放っておくと病気に発展します。
病気になる前に自律神経のバランスを整えたいものです。
自律神経のバランスを整えるには、生活習慣の見直しと、ちょっとした工夫が必要です。
詳しくは本ホームページの「自律神経」の「健康維持・予防法」をご参照下さい。
補 足
※1:自律神経とは、呼吸・消化・発汗・体温調整・代謝等の機能を自分の意志とは関係なく調整する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経とは、主に元気に活発にという場面で優位に働き、副交感神経は、主にリラックス、ゆったりという場面で優位に働く神経のことです。
※2:白血球には、血液に含まれる細胞成分の一つで、外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などの役割をします。白血球には好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などの種類があり、好中球、好酸球、好塩基球の3つを合わせて顆粒球と呼びます。
秋頃から年始にかけて流行するノロウイルスやインフルエンザウイルスですが、ウイルス全般に抗生物質※1は効きません。ウイルスに対抗するには自律神経※2のバランスを保ちながら副交感神経優位の状態でリンパ球の量を増やすことが重要になってきます。
(1)免疫のバランスを整える
免疫のバランスを整えるには、腸管の粘膜や腸内環境を整えることが大切です。
古来から「ヌルヌルしたものは免疫力を上げる」と言われてきました。
納豆、ヤマイモ、オクラ、もずくなどが腸管粘膜の掃除をして免疫力を上げることが
知られています。
また乳酸菌などの腸内細菌が腸内環境を整えることも知られています。
免疫に関与する細胞(白血球※3)の数を増やすことで、
その中の細胞のバランス(顆粒球:リンパ球の比率)が整ってきます。
(2)体温を上げる
体温を1℃上げると免疫力は30%上がると言われています。
免疫に関与する細胞の数が増えても体温が低いとその力を発揮できません。
体温を上げるために、
①運動によって筋肉量を増やし新陳代謝を上げる。
②湯たんぽ、カイロなどを使って体を温める。即効性があります。
(3)リンパ球の数を増やす
副交感神経優位の状態に移行します。
そのためには、早く寝ることです。寝ることで自律神経は切り替わります。
昼間に働く交感神経から夜に働く副交感神経に移行します。
そのタイミングは夜の11時から2時の間で、夜11時までには床に就きたいものです。
その他に爪もみをお勧めします。いつでもどこでも気軽にできて即効性があります。
その方法は同じ「自律神経」のコーナーの「健康維持・予防法」の中にあります。
参考になさって下さい。
※参考資料:「免疫力を高めると病気は勝手に治る」安保徹、福田稔監修(マキノ出版)
補 足
※1:抗生物質とは、微生物が生産し、ほかの微生物など生体細胞の増殖や機能を阻害する物質の総称です。
※2:自律神経とは、呼吸・消化・発汗・体温調整・代謝等の機能を自分の意志とは関係なく調整する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経とは、主に元気に活発にという場面で優位に働き、副交感神経は、主にリラックス、ゆったりという場面で優位に働く神経のことです。
※3:白血球とは、血液に含まれる細胞成分の一つで、外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などの役割をします。白血球には好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などの種類があり、好中球、好酸球、好塩基球の3つを合わせて顆粒球と呼びます。
はじめに
「ロングブレスダイエット」という方法は俳優の美木良介さんが開発した呼吸法で、ダイエットの分野で注目されていますが、他にも様々な効果もあるようです。簡単で、効果を実感しやすい方法ですのでご参考になさって下さい。
この呼吸法は鼻から吸って口から吐くという自律神経を整える運動を取り入れ、体内の脂肪を燃やす作用があります。
病気の入り口は、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病の4つと言われています。その内の肥満を改善する運動としてご案内します。
開発者、美木良介さんのコメントです。
「〝ロングブレス〞とは、僕が自分で試行錯誤して開発した呼吸法です。きっかけはダイエットではなく、20年来悩まされていた腰痛でした。医者やジムに通って様々な治療やトレーニングをしましたが、一向に回復しないなか、外国のスポーツ選手の間で流行しているインナーマッスル(深層筋)を鍛えるための胸式呼吸を知り、それをヒントに独自で開発しました。
〝ロングブレス〞はゆっくりと長い呼吸を繰り返すことによって、内臓を囲んでいるインナーマッスルの腹覆筋や腰痛の原因になる脊柱起立筋を鍛えつつ、代謝のよい体をつくりウエストのシェイプアップやダイエットに繋げるというものです。
トレーニングをして筋肉量が増えると基礎代謝値があがるので、ダイエットをしてもリバウンドの心配もなく、冷えや便秘、肩こりにも効果があるんですよ。
まずは、下記の1と2の呼吸法を1日に6セットずつ、計2分試してみてください。
呼吸法を確実にマスターしたら、1日20分程度のロングブレスをしながらのウォーキングをプラスすると万全。1カ月で確実に体が変わってくるはずです!」
呼吸法
(その1)ロングブレスダイエットのやり方
(1)お尻にえくぼができるくらい下腹部に力を入れてまっすぐ立つ
(2)足を前後にずらし重心は後ろに残し体に負荷をかけ前足から頭まで
一直線になるような体勢をとる
(3)3秒で鼻から息を吸って腕を回す
(4)7秒で口から一気に息を吐き出す
※長い呼吸を意識する、7秒中、前半3秒で息を吐き切り、
残り4秒はお腹が震えるぐらいキープ、10秒×6回=1分行う
(その2)ロングブレスダイエットのやり方
(1)お尻にえくぼができるくらい下腹部に力を入れてまっすぐ立つ
(2)お腹をへこませながら3秒で鼻から息を吸う
(3)7秒で一気に口から息を吐き出す、息を吐く時もお腹はへこませたままで
10秒×6回=1分行う
詳しくは下記の動画でご覧になって下さい。
「Web女性自身」より
美木良介が教える健康エクササイズ 「ロングブレス」で体を変える!
自律神経※1のバランスを整える準備運動として注目を集めている健康法をご提案します。
この準備運動は小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)と多くのトップアスリートを指導されている末武信宏医師が共同で開発した簡単な運動です。新しいストレッチの考え方として注目されています。
簡単ですので実践してみて下さい。
(4つの準備運動)
①手の先を以って体側を伸ばす・足を肩幅に開き、両腕をあげて手の先をもう片方の手でつかむ。 |
②手の先を持って横に伸ばす・足を肩幅に開き、両腕を前に出して手の先をもう片方の手でつかむ。 |
③膝を固定して手首を回す・立っても座ってもよい。 |
④反対側の膝の上で足首を回す・膝が直角になるくらいの高さに腰掛ける。 |
参考資料:「なぜ、「これ」は健康にいいのか? 」小林弘幸著(サンマーク出版)
補 足
※1:自律神経とは、心臓や胃腸のように自分の意志とは関係なく動く器官をコントロールする神経のことです。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は主に緊張・興奮状態の時に働き、副交感神経は平常時・心身共にリラックスしている時に働く神経系です。
爪もみは、自律神経※1のバランスを整えて
免疫力を十分に発揮させるために、
最も手軽で効果の高い方法です。
日本自律神経免疫治療研究会の理事長、
福田稔医師(福田医院)が考案されました。
やり方は簡単です。
刺激する場所
両手の爪の生えぎわです。便宜上、親指の外側から順番に1~10と番号をつけて呼びます。
刺激のやり方
両手の爪の生えぎわを、反対側の手の親指と人さし指で両側からつまみ、押しもみします。右手の親指を刺激する場合は、左手の親指と人さし指で、右手の1・2をギュッとはさんで刺激します。厳密な位置にこだわらなくても、刺激は十分に伝わります。
両手の5本の指を10秒ずつ刺激します。もみ方は、ギュッギュッと押しもみしても、ギューッと押し続けても結構です。「ちょっと痛いけど気持ちいい」くらいの刺激が得られるようにしましょう。
1日2~3度、毎日続けましょう。
(注意)爪もみを考案された当初は、「多くの病気は強いストレスのせいで、交感神経が過度に優位になって起こる」と考え、「薬指を除く4本の指だけをもむ」とされていましたが、その後の研究の結果、5本の指すべてを刺激した方が免疫を支える白血球のバランスが整いやすいと判明しました。
<爪もみの基本原理>
爪の生えぎわには神経線維が密集しており、この爪の生えぎわの両脇を指でギュッと押しもみして刺激すると、交感神経が優位に傾いた自律神経の働きを、副交感神経優位に導き、リンパ球を増やして、免疫力を回復させ、その結果として、高血圧、耳鳴り、糖尿病、冷え性等に効果があると言われています。
※参考資料:「免疫力を高めると病気は勝手に治る」安保徹、福田稔監修(マキノ出版)
補 足
※1:自律神経とは、呼吸・消化・発汗・体温調整・代謝等の機能を自分の意志とは関係なく調整する神経です。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経とは、主に元気に活発にという場面で優位に働き、副交感神経は、主にリラックス、ゆったりという場面で優位に働く神経のことです。
生活習慣
生活習慣病とは「食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒等の生活習慣が病気の発症・進行に関与する病気」と定義されています。
以前は加齢と共に発症率や死亡率が高まる病気を成人病と呼んでいましたが、病気の実態がわかってきたことで呼び名も変わりました。
生活習慣の乱れが、過度のストレス※1や過度のリラックスを生み、その結果自律神経※2が乱れ病気が発生します。
最新の免疫学では自律神経の乱れが病気の最大の原因と考えるようになりました。
過度のストレスによって自律神経の内、交感神経が優位な状態が続くと白血球※3の中の顆粒球が増えてリンパ球が減り病気が発生します。逆に、過度のリラックスによっても副交感神経が優位な状態が続きリンパ球が増えて病気が発生します。
自律神経のバランスを整えて、免疫力を正常化させれば病気は自然に治っていきます。
※参考資料:「免疫力を高めると病気は勝手に治る」 安保徹・福田稔 監修 (マキノ出版)
補 足
※1:ストレスとは、暑熱・寒さ・細菌・対人関係・恐怖・不安などの精神的、物理的な外部からの刺激を言います。
※2:自律神経とは、心臓や胃腸のように自分の意志とは関係なく動く器官をコントロールする神経のことです。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は主に緊張・興奮状態の時に働き、副交感神経は平常時・心身共にリラックスしている時に働く神経系です。
※3:白血球とは、血液に含まれる細胞成分の一つで、外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などの役割をします。白血球には好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などの種類があり、好中球、好酸球、好塩基球の3つを合わせて顆粒球と呼びます。
免疫力を高めるために、生活習慣を改善する健康法として次のようなことが挙げられます。
(1) ストレス※1を自覚し、生活を見直す
(2) 交感神経を刺激する薬※2を飲まない
(3) 適度な運動※3をする
(4) ゆっくりと食事をとる※4
(5) 体を温め血行を良くする
(6) 爪もみ、深呼吸をする など
※参考資料:「免疫力を高めると病気は勝手に治る」 安保徹・福田稔 監修 (マキノ出版)
補 足
※1:ストレスとは、暑熱・寒さ・細菌・対人関係・恐怖・不安などの精神的、物理的な外部からの刺激を言います。
※2:交感神経を刺激する薬にはステロイド剤、消炎鎮痛剤、抗がん剤などがあり、長期に使用すると交感神経を過剰に優位にし、免疫力を下げてしまいます。
※3:適度な運動とは、体がポカポカして汗ばむ程度のもので、自律神経のバランスを整えます。
※4:食べることはそれ自体が自律神経を整えます。