健康維持・予防

腸管粘膜

第二の脳「腸(小腸)」が免疫システムの中枢 その①

小腸は消化吸収する時に体にとって、必要なもの不要なものを識別する独自のセンサーを備える

小腸の主な仕事は、消化された食べ物から必要なエネルギー源となる栄養を吸収することです。小腸は、体にとって必要か不必要かを独自で識別する細胞を持っているので「腸(特に小腸)は第二の脳」と言われています。
ところが今、現代人の体内ではこの腸の働きが衰え、チェック機能はルーズになり、多くの人たちが生活習慣病という病に脅かされているのです。

栄養成分は小腸で初めて吸収される
口から食道、胃への移動の間に、唾液、胆汁、膵液などいろいろな体液が働き、食物を小さく粉砕し、消化していきますが、この間栄養成分はほとんど吸収されません。小腸で初めて吸収されるのです。
小腸の長さは6m。その内部は粘膜で覆われ、じゅうたんのように多数のひだ(絨毛)がびっしりとはえています。栄養素はこの絨毛で吸収され、体内各部に送られます。
絨毛の一本一本の表面は、さらに微絨毛に覆われ、ひだの上にひだを重ねることで、小腸内の全表面積は体表の約200倍にも達する広さになっています。広くして、それだけ多くの栄養を吸収できるように工夫されています。                   つづく・・・

参考資料:「フコイダン 腸管免疫強化で予防と治療」宇佐美宏 編集(食を考える会)

第二の脳「腸(小腸)」が免疫システムの中枢 その② 8月1日 更新

パイエル板は厳しい検問所
小腸は栄養成分を体内に取り込む場所で、有害物質にとっても絶好の侵入口になります。有害物質は皮膚よりも小腸などの粘膜から体内に侵入しやすいので、厳しいチェック機能が必要になり、これを腸管免疫システムと呼んでいます。
脳以外に存在する神経細胞の半分は小腸などの腸管にありますが、全身の免疫を司るリンパ球の60~70%が腸管に存在し、免疫に必要な抗体全体の60%が腸管で作られています。これは腸管免疫が大切ということを物語っています。
危険から身を守るための小腸の腸管免疫というシステムは、びっしり詰まった絨毛※1(じゅうもう)の中に30~40箇所あるパイエル板※2という侵入者をチェックする厳しい検問所で行われています。

フコイダンの硫酸基で腸管免疫復活
加齢と共に免疫の主役は腸管免疫が中心になってきますが、老化現象により粘膜機能が低下し、全体的に免疫力が落ちてきます。さらに現代のような飽食の時代、食品添加物、抗生物質、薬、成長ホルモン、ストレスなど腸管を過度にいじめ、粘膜に負担がかかり過ぎ、パイエル板が汚れたり、傷ついたりして本来の機能が低下し、検問所の役割を充分に全うできていないのが現状です。
そこで必要となるのが硫酸基を持ったフコイダンなのです。硫酸基が腸管粘膜に付着して保護することによって小腸にある各種のセンサー感度を上げ、また腸管粘膜表面についた汚れを取り、傷ついた腸管粘膜を修復して若返らせてくれます。

参考資料:「フコイダン 腸管免疫強化で予防と治療」宇佐美宏 編集(食を考える会)

免疫の司令塔:小腸 .png
小腸が免疫の中枢

120719(PDF)パイエル板写真 - コピー.png小腸の内部写真。
突起状のものが絨毛で、
平らなところがパイエル板。

  補 足

※1:絨毛とは、小腸の内側にある小さな突起のことを言います。
突起の表面にはさらに小さな突起(微絨毛)があって表面積を広くしています。小腸に入ってきた栄養をその内側に流れる毛細血管から効率よく吸収する働きがあります。

※2:パイエル板とは、小腸の内側にある絨毛と呼ばれる小さな突起の間にある平坦な部分を言います。
この部分は腸管免疫の重要な役割を担っています。病原微生物に対して侵入してきた場合複雑なシステムを駆使して情報を集め、侵入を阻止します。
しかし、食べ物由来の蛋白に対しては、アレルギー反応が起こらないように免疫的に寛容なシステムで対応します。
厳密さと寛容さの両方を持つ優れたシステムを小腸のパイエル板は持っています。

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第二の脳「腸(小腸)」が免疫システムの中枢 その③

免疫の機能は私たちの体の中で自然に動いているすばらしいシステムです。私たちが自然に身に付けたこのシステムを有効に使わない手はありません。下記の内容は少し難しいかもしれませんが、体の中で日々おきている現象に目を通してみて下さい。この機能を有効に使っていくことが私たちの「健康維持・予防」に重要と考えて、記事として取り上げました。参考にして頂ければ幸いです。

免疫の司令塔:パイエル板 
腸管粘膜系の中でも、特に重要な役割を担うのがパイエル板※1という免疫細胞の集合体です。
免疫細胞システムの最前線であるマクロファージや、T細胞、B細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞といった各種のリンパ球(添付図参照)がここに集結しています。
パイエル板を覆う腸管上皮には通常の上皮とは異なり、絨毛※2の発達していない陥没した箇所があり、その形からM細胞と呼ばれています。
M細胞の大きな仕事は腸管内の抗原を積極的に取り込んでは下に控えるT細胞に知らせることです。するとT細胞がその情報を携えて全身をめぐり、B細胞に抗体を作るように指示を出すなどして侵入物質から体を守るのです。
T細胞は血液やリンパ液の流れに乗って全身を駆け巡っていますが、そのままでは半人前です。というのも免疫細胞は必要に応じて該当する地点に移動して初めてその機能を発揮するものなのです。
ところがT細胞は抗原の情報を獲得して活性化されない限り、リンパ系器官以外の組織に入り込むことが出来ません。抗原に出会い自在な行動力を得てパワーアップし、ようやくメッセンジャー役を遂行できるというわけです。
つまり、全身の健康を維持するうえでT細胞の行動力を高めておくことは有効であり、それには情報源であるパイエル板を活性させることが不可欠ということです。

参考資料:「腸からはじめる幸せ健康法」新谷弘実 監修、安保徹 著(新星出版社)

免疫細胞A.png

  補 足

※1:パイエル板とは、小腸の内側にある絨毛と呼ばれる小さな突起の間にある平坦な部分を言います。
この部分は腸管免疫の重要な役割を担っています。病原微生物に対して侵入してきた場合複雑なシステムを駆使して情報を集め、侵入を阻止します。
しかし、食べ物由来の蛋白に対しては、アレルギー反応が起こらないように免疫的に寛容なシステムで対応します。
厳密さと寛容さの両方を持つ優れたシステムを小腸のパイエル板は持っています。

※2:絨毛とは、小腸の内側にある小さな突起のことを言います。
突起の表面にはさらに小さな突起(微絨毛)があって表面積を広くしています。小腸に入ってきた栄養をその内側に流れる毛細血管から効率よく吸収する働きがあります。

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湯たんぽ

体を温めることで体温が上がり、血流を促進して免疫力を上げることが古くから知られています。腸管粘膜の記事でも取り上げていますように、免疫力を支える免疫細胞も体温を上げることで活性化し、機能を発揮します。
身近な生活で手頃に体温を上げる例をご紹介します。

長続きする体温めは安価で手軽な方法で
体を温める方法は、食事をしてそれによって上がった体温を逃さないようにポイントを押さえて衣類などを着用する方法が一般的ですが、それに加えて積極的に体を温める方法を併用すると効果的です。
その場合、特別な道具を用意したりするのは結構面倒ですし負担になります。
そこで手軽に購入できる湯たんぽをご紹介します。

家族一人一つのマイ湯たんぽで冷え知らず
昔懐かしい湯たんぽは、電気毛布などに比べのども乾かず、とても健康的な暖房器具です。この湯たんぽは体温め効果がとても高いです。家族一人に一つの「マイ湯たんぽ」をぜひ揃えたいものです。
湯たんぽは小ぶりなものが使いやすく、70度ほどのお湯を注ぎ、厚手のタオルなどでくるみます。
湯たんぽの使い方で一番効果的なのは太ももの上におくことです。じわ~っと全身にぽかぽか感が広がっていくのがわかります。
そのほか、必要におうじて腰やお尻などへくるくる回しながら温めて下さい。
デスクワークの時、テレビを視聴している時など、くつろぎのひと時の「お伴」に、マイ湯たんぽをぜひご用意ください。

121019   HP(健康法:湯たんぽ図).jpg
参考資料:「冷えを取れば万病が治る!」川嶋朗 著(宝島社)

食物繊維をたっぷりとる

腸管粘膜を活性化させて免疫力アップ!  食物繊維をたっぷりとる!

食物繊維は栄養素ではありませんが、腸管を刺激してその働きを活発にします。腸が動くということは、自律神経※1の内、副交感神経が優位になっているということです。白血球※2の中のリンパ球も増加します。さらに食物繊維は有害物質などを絡め取って排出する役目をしてくれます。

おすすめ食物繊維

その1 きのこ 

きのこはどれも食物繊維が豊富で、低エネルギーなので体重が気になる方もたっぷり食べられます。
きのこに含まれる食物繊維は、主に不溶性食物繊維といって水に溶けないタイプなので、消化管に入ると水分を吸収して柔らかくなり、かさが増す性質があります。そのため腸の働きが活発になり、便秘の予防と解消にもはたらきます。

その2 海藻

海藻の食物繊維はおもに水溶性食物繊維といって水に溶けるタイプで、ぬめりの部分に多く含まれています。食べると消化管の中で自律神経の内、交感神経を優位にするナトリウム※3と結びつき、排泄を促し、体内への取り込みを抑えてくれます。また、ナトリウムの取り過ぎは高血圧の原因にもなるので、高血圧の予防・改善にもなります。

その3 野菜

野菜は不溶性の食物繊維をほどよく含み、これは便通を良くし、腸内の悪玉菌が出す有害物質を吸着して排出し、腸内環境を整えます。また、新鮮な野菜には身体の組織を若々しく保つビタミンCが多く含まれ、緑黄色野菜に多いビタミンAは、皮膚や粘膜の新陳代謝を高め、抵抗力をつけます。その他にも様々なミネラルや動物には作ることのできない植物性の非栄養素※4を含みます。

※参考資料:「安保徹の食べる免疫力」安保徹 監修(世界文化社)

  補 足

※1:自律神経とは、心臓や胃腸のように自分の意志とは関係なく動く器官をコントロールする神経のことです。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は主に緊張・興奮状態の時に働き、副交感神経は平常時・心身共にリラックスしている時に働く神経系です。

※2:白血球とは、血液に含まれる細胞成分の一つで、外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなど異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などの役割をします。白血球には好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などの種類があり、好中球、好酸球、好塩基球の3つを合わせて顆粒球と呼びます。

※3:ナトリウムとは、人にとってなくてはならない重要なミネラルのひとつ。元素記号はNa。
ナトリウムは、主にナトリウムイオンとして細胞の外側を取り囲んでいる体液に多く含まれており、カリウムとバランスを取りながら体液の調整を行います。

※4:非栄養素とは、人が生命を維持するのに必須である栄養素以外の植物由来の成分を言います。体内で、抗酸化作用、免疫力向上、体内浄化といった働きをします。例えばお茶のカテキンなどのポリフェノール、大豆のイソフラボンなどがあります。

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